日本各地で和牛が飼育されていますが、産地によって人気のブランド和牛がいくつかあります。

全国的にも有名な和牛のひとつが三重県の松坂牛です。高級和牛として知られており、贈答用としても人気の高いブランド和牛です。

松坂牛ももちろん美味しいのですが、それ以外にも美味しい和牛がいくつかあるのです。そこで、米沢牛や佐賀牛、飛騨牛の魅力についても紹介していきます。

米沢牛

米沢牛は山形県のブランド和牛です。松坂牛や神戸牛と合わせて日本三大和牛とも呼ばれています。

米沢牛とは

山形県米沢市が含まれる置賜地方で飼育された黒毛和牛のことで、一定の基準を満たしたものがそう呼ばれています。

飼育地である置賜地方は、高い山々に囲まれている盆地であり寒暖の差が激しくなっています。

また、四季の区別もはっきりとしており、それが肉に旨味を持たせる要因になっているのです。

米沢牛の歴史

米沢牛を有名にしたのが、文明開化の時期に日本で英語教師をしていた英国人男性です。その男性が、米沢牛を食べた時にそのあまりの美味しさに驚いて、米沢を離れるときに牛一頭を連れて帰ったというエピソードがあるほどです。

その英国人男性が、米沢牛を友人たちに振る舞ったところ、評判となり全国的にその名が知られるようになっていきました。

 米沢牛の特徴

30か月以上も時間をかけてじっくりと育てられる米沢牛は、肉の赤みに脂身が浸透していて旨味が強くなっています。霜降り部分がきめ細かく、口に入れるととろけるような食感が特徴的です。

また、牛が食べるエサは、麦、米ぬか、ふすま、大豆、とうもろこし、稲わらといった天然の植物をメインで食べていますので、肉に臭みが少ないのも特徴の一つです。

佐賀牛

佐賀牛とは、JAグループ佐賀管内肥育農家にて飼育された黒毛和種であること、日本肉質格付け協会が定める規格に合格した牛肉だけを指します。

佐賀牛の歴史

1983年に佐賀県にある若手肥育農家がグループを作り、牛肉のうまみを追求するための研究が重ねられ、佐賀牛の基礎がつくられました。

その翌年、佐賀牛というブランド名が付けられ、食肉市場に出したところだんだんとその知名度が向上していったのです。

1988年頃から関西地方を中心に佐賀牛の認知度があがっていき、月刊誌や新聞でも取り上げられたことから、徐々に全国へと知名度を広げていったのです。

 佐賀牛の特徴

佐賀牛は、柔らかい赤身の中にきめ細かい脂肪が入った霜降り肉が特徴です。それだけ美味しい肉を作るために、生育環境にもこだわっています。

最高ランクの牛肉を作るのに重要となってくるのがエサです。エサには、複数の原料を独自にブレンドした、統一飼料が使われています。

他にも、安全性の高い稲わらを使っているのですが、米の産地でもある佐賀県では、安全性の高い稲わらが簡単に入手できる恵まれた環境が整っています。

さらには、寒暖差が少なく、澄んだ空気と水という環境に恵まれておりストレスなく、のびのびと育つことができるのです。

飛騨牛

岐阜県の飛騨地方で飼育されている一定基準を満たした牛のことを、飛騨牛と呼びます。

飛騨牛の歴史

飛騨地方では、昔から各農家が牛を2〜4頭所有しており、5月から10月にかけて共同牧場で飼育するという習慣がありました。

1960年代以降食用としての牛の飼育が盛んとなり、次第に主要な産業として発展していったのです。飛騨牛をブランド和牛にしたのは、安福号と呼ばれる牡牛の存在が大きく影響しています。

飛騨牛の特徴

肉質がきめ細かく、食感はやわらか、とろけるような霜降りが特徴的です。肉の色はきれいなピンク色であり、口の中に肉を入れると芳醇な香りと味わいを堪能できるでしょう。

飛騨牛の美味しさはやはり、生育環境とエサに秘密があります。エサは、天然飼料だけを用い、標高100Mほどの牧場でのびのびと育てられます。