肉は固いものよりも柔らかいものを好んで食べる人が多いでしょう。しかし、時々スーパーなどで購入してきた値段の安い牛肉は、固くて噛みきれないことがあります。

そこで、牛肉を美味しく食べるために、牛肉が固くなってしまう原因や、柔らかくするためのテクニックについて解説していきたいと思います。

そもそも、なぜ牛肉固くなるのか?

牛肉を調理したのに、固くて食べられない事態が発生してしまいます。そこで、牛肉が固くなってしまう原因について、理解しておきましょう。

筋肉が固い

牛肉は主に筋繊維と脂肪で構成されています。そのため、牛肉も切り方によっては固さが強く出てしまうことがあるのです。

筋繊維に沿って切らないと、筋繊維が思いのほかしっかりとしているため、弾力が強く噛みきれなくなってしまうのです。

火の通しすぎ

肉の生焼けは衛生面で不安ということで、必要以上に火を通しすぎることも肉を固くする原因になってしまいます。

火を通しすぎると肉の水分が抜けてしまって、肉がパサついて固くなるのです。

肉を柔らかくするための「切る」テクニック

肉を柔らかくするためには、切り方にもコツがあります。

切る前に肉をたたく

分厚いステーキなどを焼く時は、肉を切る前に肉を叩いてスジを切っておくと肉がやわらかくなります。

100円ショップなどでも販売しているハンマーを購入してきて、広げた肉をハンマーで叩いて、肉の筋繊維をほぐして柔らかくするのです。

ハンマーがないときは、包丁のの部分や瓶などでも代用できるでしょう。この下準備をするだけでも、肉がだいぶ柔らかくなります。

肉を叩くときのコツは、包丁で切れ目を入れることと、叩き方の向きに気を付けることです。

肉の間の筋に包丁を使って2,3か所切れ目を入れるだけで、筋繊維がほぐれやすくなります。

また、肉を叩くときも、中心から外側に向かって全体を叩くようにしたほうが効率よく肉を柔らかくできるのです。

肉を叩くときの力加減ですが、軽い力で叩くようにしてください。強く叩いてしまうと、肉は柔らかくなるのですが、肉の旨味まで逃げてしまいます。

肉を柔らかくする方法

肉を叩く以外にも、肉を柔らかくする方法がいくつかあります。たとえば、パイナップルや玉ねぎに含まれている酵素が、肉のタンパク質を分解して肉を柔らかくしてくれます。

他にも酵素をたっぷりと含む野菜や果物がありますが、長時間漬けてしまうと肉が柔らかくなりすぎてしまうので、漬ける時間には十分な注意が必要です。

筋を意識して切る

叩いて柔らかくなった肉は、筋を意識して切ることで、調理しても柔らかく食べられるようになります。

肉をよく見てみると、細かい筋のようなものが入っていることがわかります。それが肉の筋繊維ですので、その筋繊維に対して垂直にカットするようにしましょう。

柔らかく食べるための温度管理と焼き方

肉を柔らかく食べるためには、焼き方や温度管理も重要になってきます。

火加減は弱火で

肉を焼く時は表面を強火で焼いて肉の旨味を閉じ込めるといいますが、それよりも余熱を利用してゆっくりと時間をかけて火を通したほうが、肉の持つ水分が抜けにくいのです。

そこで、肉を焼くときは強火にせず、弱火から中火の火加減で肉に火を通すようにしましょう。

また、牛肉は少しレアくらいにしたほうが、肉が柔らかいですので、火の通し過ぎに注意が必要です。

味付けにも注意して

肉を焼く時は事前に塩やコショウを振ってしまいますが、塩は調理時の最後に入れるのがおすすめです。

塩は水分を抜く働きがありますので、調理中に肉の旨味や水分を流出させてしまうからです。

どうしても塩で下味をつけたいときは、気持ち少なめにつけておくようにしましょう。コツさえしっかりとつかめば、固い肉でも柔らかく食べられるようになりますので、試してみることをおすすめします。